その男の子は5歳だった。彼は、双子の弟と母親、父親とともに祖父を訪ねていた。双子は祖父ととても親密で良い関係にあり、祖父も彼らを心から愛していた。
家族は帰宅するために、車に荷物を積み込んでいて、祖父は前庭の車のそばに立っていた。男の子の父親が外に出てきて「息子がおじいちゃんと別れて家に帰らなければならないので泣いている」と言った。祖父はなぜ泣いているのか男の子に尋ねると「おじいちゃんと別れたくないんだ。家に帰りたくない。一緒にここにいたいよ。」と答えた。
その子はイエスのことを知っていて、イエスが人々を愛していることも知っていた。そこで祖父は、イエスは天国に住んでいて、彼がとても愛している人たちと一緒にいるためにこの地上に来たのだと説明した。イエスが天に帰ると知ると、人々は泣き出したけれども、イエスは彼らに、もしイエスが天国へ帰らなければ、彼らと一緒になるために戻ってくることはできないと話された。弟子たちは、イエスにまた会えると聞いて、とても喜んだ。
祖父は男の子に言った。「もし家に帰らなければ、私に会いに戻ってくることはできないんだよ。私に会いに戻って来たいかな?」その子は驚いて目を見開き、「うん」と答えた。「それなら、家に帰らなければ。そうすればまたここに戻って来られるんだよ。」彼は考えた末に、「そうか、ここにいたら戻ってこられないんだね。分かった!お家に帰るよ。」と言った。戻って来られることが分かり安心した男の子は、飛び上がり、嬉しそうに家に帰って行った。
祖父はこの会話について考えながら、イエスが天に帰られ自分たちのもとを去られることを知った弟子たちが非常に動揺したので、イエスは、「わたしは去って行くが、去らなければ、戻って来ることはできません」と言って、弟子たちを安心させたことを思い出した。
そしてイエスは彼らに「あなたがたは心を騒がせてはなりません。神を信じ、またわたしを信じなさい。わたしの父の家には住む所がたくさんあります。そうでなかったら、あなたがたのために場所を用意しに行く、と言ったでしょうか。わたしが行って、あなたがたに場所を用意したら、また来て、あなたがたをわたしのもとに迎えます。わたしがいるところに、あなたがたもいるようにするためです。」(ヨハネの福音書14:1‐3)と語った。
孫が祖父に再び会えることを理解したのと同じように、弟子たちは、イエスを失うわけではなく、イエスが戻ってくることを理解したのだった。
確かに、イエスは地上に来られた後に天に戻られたが、また必ず帰ってこられる。これこそが私たちの希望だ。もしあなたがイエスを救い主として信じたのならば、いつの日かイエスが戻って来られ、あなたをご自分の子どもとしてくださる。
もし主イエスを信じていないのであれば、今すぐに信じ、主があなたを神の子の一人としてくださる時を期待して待とう。